浦沢さんの講演があったよ

マンガ描いたことある人って質問に5人くらい手を上げてた。皆女子だった。仲間か(挨拶)



浦沢直樹さんの講演会がありました。

1時間という短い時間だったけど、浦沢さんは慣れているらしく気さくな感じで中々面白い講演でした。
途中スクリーンを使って実際に絵を描きはじめた時は感動。うめぇ、そして早ぇ。




以下、メモったことを箇条書き


メビウスというフランス人の絵描きさんが大好きで、最近話せて感動した。「漫画家という職業は影響を受けるのも仕事だ」という言葉を言われ感動
・週刊誌でマンガを描くのは無理。なぜ描けるのかといえば無理をしているから。無理をすると人間できるものだ
・月130p、月の締切6回、連載2本という生活を17年間続けた。それで最近単行本が100冊になった
・でも手塚治虫先生の全集は400巻。もう無理はよそうと思い始めた
・ホワイト、ベタ、ネームといった単語は手塚先生が使っていて広まった。だから意味は分からない
・マンガは疲れる。最高は65時間ぶっ続けで描いたこと
・夜は寝ましょう。昼にやりましょう
・道具紹介→原稿用紙、シャープペン、消しゴム、筆ペン、ミリペン(0.1)、カッター、Gペン、丸ペン(メインに使う)、ティッシュ、定規、ヘラ(ラブトーン)、ミスノ(ホワイト)
Air inという消しゴムをトーンにかけると、グラデーションになる
・ネームで殆どのセリフを書いてしまう。ネームは読むような速いスピードで描くので、適切な表現になる
・急病で休みにはなりませんw
・マンガは映画で分業するようなこともすべてやる。アシスタントの機嫌をとるのも仕事
・マンガは最速、構想から2週間で読者の手元に届く。こんな速いエンターテイメントはない。そのホカホカ感がマンガ人気の秘密では
・浦沢のマンガに正しい人は出てこない。必ず何か間違えている。全部正しい人間なんていない、間違っているからドラマが生まれる
・桂馬のようなキャラが集まると面白いドラマになる
・長所ではなく、短所が個性
・短所は無くならない
・短所を描くのが人を描くということ
・読者に「うるさ型」と呼ばれる人がいる。何かといってくる→結局それは自分だ
・中二の頃の自分の視線に耐える人間になりたい
・マンガは自分を楽しませている。楽しいことを見つけろ



以下質問コーナー

Q,今の絵に辿り着くまでのプロセス
手塚先生、水島先生、メビウス先生と色んな人の影響を受け変化しまくってきた。実は今いる漫画家さんの絵で満足している。でも自分で描くから努力して作った。実は今も脳内で皆さんをエアーデッサンしてます。ルンゲみたいにやっちゃうのです

Q,長編と短編どっちが好きか
短編を描いていて、26pで話が終わるのはオカシイと思った。その後、1話完結にこだわらなくなった

Q,マンガを描く時にやっちゃいけないこと(マンガがつまらなくなること)
沢山ある。表現にはストレートもあればカーブもある。その辺は空気で選ぶ

Q,最初から終わり方を考えているか
考えてはいるが、その通りになることはない。それが楽しい

Q,マンガとは何か、働くとは
遊びと仕事の差は、お金を貰うかそうでないか。いなくてもいい、からいて欲しいに変わるのは凄いこと。好きでひたすら描いていたらそうなった



ちなみにやっちゃいけないことってのは自分が質問しましたw
以前ZUNさんの講演会でも指してもらえたので、指しやすい雰囲気でもあるのだろうか?



マンガはやっぱ大変だなってのと、短所ウンヌンのところは特に興味深かったです。人間観察になるんだなと思いました。

他に驚いたこととして、浦沢さんはこの辺をよく歩いているらしい。あと娘さんが会場にいた。
ということはこの辺に住んでいて、娘さんは同輩なのか(だから講演会で呼んだのか)。ビックリ