はっすぅ！（挨拶）
この時期、どこの大学の部活やサークルでも新入生獲得に向けて躍起になっている事だろう。
ウチの大学、自分が所属している部活も例外ではない。校門出入り口付近には遡上してくるサケを狙う漁師のごとく、先輩達が網を張り新入生を待ち構えている。
そんな中、ウチの大学では入学したばっかりで右も左も分からない初々しい新入生達を暗くて狭い密室に閉じ込め、延々と謎の活動団体や得体の知れない研究団体の説明を聞かせ、入部を勧めると言う行事がある。
別名、部活動紹介である。
各々の部活はなんとか新入生の気を引こうと頑張る。
大体が壇上で内容紹介をするか、ビデオで紹介するかの２択だが、時折趣向を凝らして劇をやったり漫才をやったりするところもある。ほとんどはギャグ路線である。でないと飽きる。
我らはビデオ撮影をした。内容は着ぐるみを着た部員が部室までの道のりを紹介するといったものだ。
（ちなみに自分は免許取得のため田舎に帰っていたので製作に参加していない）
曰く、かなりの力作だそうだ。周りの反応も良いらしい。
その反応を見たいと言うことだったのでこっそりと会場に忍び込むことにした。
うん、暗い。狭い。敷き詰められた１年生とノリの良いＢＧＭ。そしてドレスとタキシードな司会者２人が壇上でトークしている。去年を思い出した。
後ろの方でこっそりと見る。次々と部活紹介がされていった。
我が部活の映像を待つ。いつ流れるか分からないので長く感じる。
ぶっちゃければ退屈である。殆ど興味ないしな。早く映像を見て帰りたい。
そんな中、ミステリー研究会の番が回ってきた。
名前は聞いたことあるが活動内容は知らない。ＵＦＯとか怪現象とか好きな連中が集まっているのかなぁ、というイメージしかなかった。興味もさほどなかった。
そう、なかったのだ。
司会「それではミステリー研究会の皆様、どうぞ〜〜！！」
暗転しているステージにロックなＢＧＭが流される。
そしてその音楽が止まる
静寂
音楽「ちゃ〜ちゃちゃちゃ〜ちゃ〜ちゃちゃちゃ〜〜ちゃ〜ちゃ〜〜〜♪♪」
・・・・・・・・・・・・！！！？（ざわっ）
「なぞなぞみたいに〜♪地球儀を解き明かしたら〜♪♪♪」
反則だあぁぁぁぁぁぁああああ！！！！！！
動揺が走る会場。
そして沸き起こる拍手と笑い。空気が一変した。
無論、自分も大喜び。
やりやがったぁ！ついにやりやがった！
こいつは飛び道具だ！無理無理無理！勝てねぇ！！
まさか天下の部活動紹介でハルヒダンスを披露するとは流石だぜミステリー。
これでは漫研の立つ瀬がないじゃないか。
ええ、普通にやっていればただの痛い集団ですよ。
でもねでもね、ダースベイダーが踊っているのよ！ダースベイダーがハルヒ！
もろ手挙げて降伏！大切なものを盗んでいかれました！
最高だぜミス研！
拍手拍手拍手
こんな大きな反応は初めてだ。
周りでやけにオーバーリアクションしたやつは仲間。ボクと握手しよう
もうミステリー研究会に入部しようかと本気で考えましたよ。「超団長」の腕章をつけておどった女子様、輝いていました。
最高の部活動紹介でした。我が部の映像なぞ知ったこっちゃありません。
あまりの感動に友人と速攻スモークチーズを買いに走り、ミス研部室の前の「めがっさ」とか「にょろ」とか書いてあるポスターの御前に献上してきましたＺＥ。
（驚いてた）
いやあ、素晴らしい。我が大学も捨てたもんじゃないな！
ＨＡＨＡＨＡＨＡ！！
・・・・・・・・・・・・・ちょいと待てよ。
なんであんなに新入生達は反応したんだろう？知らなかったらただの踊りだしな。
それに司会の人も「ハルヒダンス」って公言したし。
もしや・・・・・・・・・・・・オタ率高し（ざわっ）
あまりにピンポイントを狙ったミステリー研究会に幸あれ！
君たちは単独優勝っさ！
