先生の最後の授業

seagateに見捨てられた(挨拶)


ウチのゼミの教授の最後の授業があった。
この最後っていうのは今年の最後という意味ではなく、本当に先生にとって最後。今年で先生は定年退職を迎えられるのだ。


教授になって34年。70歳まで無事にやってこられた引退試合ですわ。


授業としては「名付けの民俗」ということで1年やってきたけど、最後ということで特別な内容にしますとのことだった。
それは先生の生い立ちを説明していくことだった。


福井に生まれ、子供のころ空襲で家が焼かれ疎開。そして大震災でまた家を失ったという苦労話。


そして大学に入るため上京。最初は漢文の勉強をするつもりだったけど、民俗学が面白くなって勉強を始めたこと。

大学院に入るもお金が無く、定時制の学校の教師をやりながら学校で勉強をしたこと。

そしてしばらく教師をやりつつ研究を続け大学の教師になったそうだ。


なんとも苦労をしてきたんだなぁとここで知った。


そして大学に入って色んなところに調査へいき、行ったことが無いのは石川県だけだそうだ。全部行っちゃったらつまらないから1箇所だけワザと残したそうだ。ちょっと味のある選択。



1番の功績は山村調査をやったことだそうだ。昔柳田國男が全国の山村調査をやったのだが、それの現在の状況をすべて追って回ったそうだ。そして今と昔の比較検討をし学会で発表したそうだ。



ほかにも各地で起こった色々な民俗風習や事件(安保闘争が盛んな時期に調査先で取り囲まれたとか)

学生と毎年遠足にいって調査を行ったとか(年を取ってからは半分遊びになった。ちなみに今年度はビール工場に行った)




色々なエピソードを踏まえつつ、教訓も交えつつの授業でした。
語りたいことは多くあるようで話し足りなかったみたいですが、最後はみんなから拍手が起きました。

聞いていた人の中にはお年寄りや、知り合いであろう年配の方々。
今は授業を持っている教え子の先生などもいました(驚いた)



先生は自分にとってちょっと怖い人でした。礼儀にうるさく、不機嫌な事も多かったです。機嫌のいいときとそうでない時の差がある方。
ゼミも途中で終わり、忙しいから後は勝手にやってくれだのオイオイと思うことも多かったです。オイオイ


しかし、ちょっとした縁ですな。この瞬間に立ち会えたのも良い経験でした。
色々と教えていただき、ゼミも楽しかったです。



ありがとうございました。お疲れ様でした。
これからも研究を続けられるでしょうから、お元気で。








しかし授業の最後の最後で話題が夜這いになるとは思いもよらなかったね。


慌ててなんか綺麗な話に移したけど、騙されないぞ。




それでは先生、まだ口頭審問とか残っているけど厳しく突っ込まないでね!