ビワの攻防

プール入りてぇ(挨拶)




ウチの学校にはビワの木が生えていて、毎年今ぐらいの時期になると美味しそうな黄色い実をつける。

すると腹を空かせたカラスや、腹を空かせたネズミや、腹を空かせた大学生なんかが奪い合うのである。

去年なんかビワをめぐりヤンチャしちゃった一つの部が休部になるという、まさに魔性の実である。



穏健派な我々が毎年「美味しそうだね」と思っているうちに、いつの間にか実が綺麗サッパリなくなっているのが毎年のこと。

てっきり上に挙げたヤツらが片っ端から食べているものだと思っていた。



で、今日学校に行くと






食べごろよ




講師の控え室に何かあるではないか。
何その美味しそうなの。信じられないんだけど。




どうやら毎年、獣どもに食べられていると思っていたビワは、学校の職員が採っていたらしい。
そして彼らだけで美味しく召し上がっていたという寸法よ。


くきー!職権の乱用だ!学生にも食う権利をよこせ!





「あ、食べます?どうぞ」




うめぇ。



くれた。またここに来よう。