発表の司会

はやく夏休みになれ(挨拶)


毎回担当者が一人ずつ発表していくという授業がある。
いくつかの論文が載っている本をそれぞれ分けて読み、その内容をまとめ、さらにそこから自分で思ったことを発表するという感じだ。


発表者は勿論前にでるが、もう一人司会という役割があり一緒に前に出る。
司会は発表の進行を促す役目がある、まさに司会者だ。これは次の発表者が担当する事になっている。


司会なんて偉そうな事を名前がついているけど、結局質問者を指す程度しか仕事がないので楽である。本来は。


今日は自分がその司会者になった。上記の通り特に難しいことはないので気楽に構えていた。
しかし問は起こった。今日の発表者は中国からの留学生。その留学生は曲者でしょっちゅう授業をサボっていたのであった。



大抵発表は90分あり、30分内容の要約、30分自分の考え、30分質疑応答というのが大まかな流れだ。先輩たちはもちろん、授業に出ている人は皆分かっている。




ただこの留学生はサボリ常習犯だったのだ。そういうルールは知らないようだった。
最初の内容のまとめの部分でもう1時間近く使っていた。ぶちゃけると内容のまとめなんてものは、みんなその本は読んでいるので知っていることを繰り返すだけである。つまり普通はサーッと流すだけだ。

さらにまずいことにこの留学生は本分を抜き出して呼んでいるだけで、まとめていない。つまり面白くない。


マズイとは思ったけどどうしたらいいのか分からなかった。とりうるパターンは2つ。急かすか急かさないか。

時間進行を考えれば急かすべきである。しかし発表途中で口を挟むということはまずしてはいけないことだ。上に書いた30分ウンヌンなんてのも暗黙の了解で決まりではない。発表はその人の裁量次第だ。



自分の頭の中は

急かす→「なんで発表の邪魔をしやがった」
急かさない→「てめぇ司会だろ。ちゃんと進行しろ」

の2択で迷った。どちらが正解かは分からない。困った。


結局自分は「これも発表者の自由だ。口を挟んではいけない」という結論に至った。まあ、今までの方式である。




しかし最初の要約が終わった時点で左前の先輩が何かを呟いた。内容は分からなかった。そして正面にいた先輩はもう「早くしろ」と口を動かしすげぇコッチを睨んでいる。

どうやら外れだったようだ。
もう「駄目だったか。ええ、どうしよう」と戸惑った。隣では発表者が一生懸命話していたけど、催促が来ているので申し訳なさそうに「早めにお願いします」と頼んだ。
そしたら肝心な自分の考えの部分が10分で終わった。



無事に発表は終わったけど、ちょっと反省点の残ることとなってしまった。
内心「悪いの自分かよ!?」とムッとしたが、実際進行を失敗しているんだから司会失格である。考えた、考えたんだよ。

失敗だったけど、次の機会に生かそうと思った。




こんな司会だけど、楽しいこともある。普段見れない前からの視点。発表の時と違って心に余裕もある。
見渡すとみんな下を見ているので、コチラが見てもばれない。いつも真面目な彼が寝ている姿を見て「お疲れ様」と思うのと同時に「ああすぐ分かる。寝てるのはバレバレだったんだな」と新たな発見が出来た。

次はバレない寝方を研究したい次第。いや来週発表だからそれ終わってからな。